神楽森 紫王

○神楽森紫王(かぐらもり・しおう)

 

 主人公。山城の史跡・神楽森城の妖怪としての主・天椿姫(あまつばきひめ)と、その夫・かつて彼女を調伏にきた密教僧の護法童子である修羅・陀牟羅婆那(ダムラバナ)の間に生まれた高等妖怪。

 見た目の通り、生まれて十数年の高校生の年頃。

 父親とうまくいっておらず、家を出て市内のマンション(母親の所有)にお目付け役ともども住んでいる(部屋はそれぞれ別)。

 大妖怪である母、そして仏法の守護神に連なる父の血を引いて、膨大な妖力を持っているが、それをやや持て余し気味。

 人間としての顔は、不良高校生。しょっちゅう喧嘩に明け暮れている。カッコつけた不良そのものだが、大人数でつるむのは好きでなく、弱いものいじめは嫌いという硬派。

 いつもの恰好は、制服を着崩しシルバーアクセサリーをジャラジャラ着けるというもの。長めの髪を紫色に染め、目に金色のコンタクトを入れているという威圧的な出で立ちだが、目と髪の色は、実は元々の妖怪としての色である。

 目鼻立ちは彫りが深く、色気のある美形だが、どこか迫力があって威圧的。筋骨隆々で、長身なせいか、歳より大人っぽく見える。

 性格は、気が荒く、好戦的。生真面目な一面もあるが、協調性は皆無。大抵は同級生で幼馴染、かつ妖怪としては臣下の乾仁(いぬいじん)を連れ、傲然とした様子でいる。

 妖怪としては、神楽森の天椿姫の後継者ということで、その世界でも一目置かれている。戦いに特化した神的存在である父親の血が濃く、直接戦闘に向く。一方、因果律をも操る妖術の大家である母親の血も無視できず、彼の周りでは妖しい現象が頻発する。

 妖怪としての見た目は、六本腕に額に紫の宝石(紫色のダイヤモンド)がある阿修羅の姿。髪は紫、目は金色で古代インドの戦士風のいでたちに、様々な宝飾品を飾っている。体の周囲に星のような発光体が取り巻いているのは、母親似。