異世界の創り方

 さて、皆さんは、「違う世界」、異世界を創造したことはおありでしょうか?

 

 比較的よく見かけられるのが、いわゆる「剣と魔法の世界」、中世ヨーロッパの文化文明に魔法を加えたような異世界ですが、それでは目新しさがありません。

 それに、誰の創作にもそれがベストな異世界だという訳ではないはずです。

 ご自身の物語の特性に、最も合った舞台であるオリジナル異世界の創り方を提案いたします。

 

 

――――――――――

 

1)その異世界がどんな文明レベルにあり、どのようなジャンルにおいて創造されるのか大まかに決める。

  これは、その異世界がいわゆる「ファンタジー風の異世界」なのか、それとも「SF風の異世界」なのか、「現実世界そっくりだけど、どこかしら現実とは違うところがある」異世界なのか、などなど、背景を決める、ということです。

  例えば、ファンタジー風の異世界でも、よく見かけられるように文明レベルが中世並みとは限りません。

  魔法科学文明が発達していて、文明の程度は現代の地球よりはるかに進んでいる、などということも考えられます。

  まず、その辺からざっくりと決めていきます。

  この「ジャンル×文明の程度」が、土台になるべき部分です。

 

2)その異世界の「外観」を決める。

  どういうことかと言いますと、その異世界を見渡した時に、我々の住んでいる現実世界とは、どこがどんな風に違うのか、ビジュアル的に一瞬で説明できる設定を付けた方がいいということです。

  例えば、「この世界の鉱物は宙に浮く性質があるので、大陸も島も、大地は宙に浮いている」という異世界なら、ビジュアル的にイメージしやすいです。

  空の色が青以外とか、光源が太陽や月以外であるとか、地表が光をたたえる水晶のようなもので覆われているとか、そういう「イメージしやすい特徴」を設定していきます。

  場合によっては、その異世界は地球のような球状ではなく、無限の虚空の中に巨大な盆が浮かんでいるような形かも知れません。

  無論、この場合も1のジャンルを踏まえて設定します。

  ファンタスティックな異世界なのに、SFジャンルで描かれるならば、それ相応の理論付けが必要でしょう。

  とにかく、ビジュアル的に一目で異世界だ、とわかるものが望ましいです。

  ご自身の趣味を入れて、凝ってみて下さい。

 

3)異世界での植生や動物、そしてそこで生きる知的生命体の設定を決める。

  要するに、異世界に生きる異種族、並びに、彼らを支える生態系を決めていきます。

  生態系をいちいち細かく決めていたらいくら時間があっても足りないので、主に細かく決めるのは異種族(知的生命体)の設定です。

  彼らの性質に合わせて、彼らの周囲に存在する、そして彼らが必要とする動植物などを決めていけばいいでしょう。

  例えば「体が発光する透明な材質でできていて、主食は珊瑚みたいな形の低木になる、発光する果実」などだと、非常にイメージがしやすいです。

  これもご自身の趣味が注ぎ込めるところですから、これぞというイメージになるまで、凝ってみてください。

 

4)知的生命体の文明や文化を具体的に設定する。

  ご存知のように、地球も、人間が今のように広範に進出し、文明を発達させることで、だいぶ外観が変わりました。

  例えば、宇宙から見た、地球の夜の写真で、都市部が人口の明かりで輝いているのをご覧になったことがおありでしょう。

  そんな風に、知的生命体の文明の発達は、異世界の外観を変えます。

  例えば「機械仕掛けの浮遊島が常に上空に漂っている」とか、「軌道上に、環状に人工の居住地が建設されている」などです。

  異種族を複数設定するなら、その種族ごとの国家や都市などの外見の特徴があるかも知れません。

  ここも趣味を込めて凝ってみると面白いでしょう。

  作品にする時描写して、読者様の興味を引きそうな外見を考えて設定できたら、大きな強みです。

 

5)異世界の名称を決定する。

  以上の特徴を踏まえて、異世界に印象的な名称を与えます。

  特に印象的なビジュアルと名前が組み合わされば、読者様に覚えてもらえる可能性が高いのです。

  特に登場人物たちが、世界の名前を口にする時は、それなりに規模の大きな、劇的な話である可能性が高くなります。

  そういう時に、読者様の感性に訴えかける名前を呼ばせることができれば、読者様の受ける印象は強まります。

  是非、ここも凝ってみて下さい。

  例えば、どこの言語体系にも属してない「完全に異世界風」の奇妙な人名や地名のある異世界が、「漢字表記で表現される」だったら、なかなかインパクトがありそうです。

  これ以外にも、漢和辞典や古語辞典、神話や説話などから引っ張ってくるなど、創作法は多々あります。

  是非、これも凝ってみてください。

 

 

――――――――――

 

 

 以上、大まかですが、「異世界の創り方」でした。

 

 ご参考になれば。